【相続・空き家⑤】【税金の基本】相続した実家を売ったら税金はいくらかかる?「譲渡所得税」の計算式

相続した実家や土地を売却するとき、多くの方が「売れたお金はそのまま手元に残るの?」

「税金はどのくらい引かれるんだろう?」と疑問に思われます。

不動産を売って得た利益(利益=儲け)には「譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)」という税金がかかります。

しかし、その計算方法は一般的な税金と少し異なり、親が当時その家を「いくらで買ったか」が大きく影響してきます。

第5回目は、相続不動産の税金の基本と、知っておくべき「計算の仕組み」を分かりやすく解説します。

1. 「譲渡所得税」がかかるのは利益が出たときだけ!

まず覚えておきたい一番のポイントは、譲渡所得税は「売却金額全体」にかかるのではなく、「売却して出た利益(譲渡所得)」に対してのみかかるという点です。

売った価格よりも「買ったときの価格+かかった費用」のほうが大きければ、利益はゼロ(赤字)となり、譲渡所得税は1円もかかりません。

逆に、売った価格のほうが大きくて利益が出た場合にのみ税金が発生します。

2. 税金を計算するための基本方程式

譲渡所得(課税対象となる利益)は、以下の計算式で割り出します。

譲渡所得(利益) = 売却価格 -( 取得費 + 譲渡費用 )

それぞれの項目の意味は以下の通りです。

  • 売却価格:不動産が実際に売れた金額
  • 取得費:その不動産を手に入れるためにかかった費用(購入代金、建築費、購入時の仲介手数料など)※建物の場合は減価償却を考慮します。
  • 譲渡費用:売るために直接かかった費用(売却時の仲介手数料、測量費、解体費用、印紙税など)

こうして計算した「譲渡所得(利益)」に対して、決められた税率をかけることで税額が決まります。

3. 所有期間で税率がガラリと変わる(短期 vs 長期)

譲渡所得にかかる税率(所得税+住民税+復興特別所得税)は、その不動産を所有していた期間によって2倍近く変わります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下):税率 約39%
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超):税率 約20%

「親から相続してまだ1年しか経っていないから、短期(39%)になってしまうの?」と不安になるかもしれません。

ご安心ください。相続の場合は、「亡くなった親(被相続人)がその不動産を取得した日」からの所有期間をそのまま引き継ぐことができます。

親が5年以上所有していた実家であれば、相続してすぐ売却してもお得な「長期譲渡所得(約20%)」の税率が適用されます。

4. 【超重要】親が家を買った時の金額がわからない「5%ルールの罠」

相続した実家の売却で最もトラブルになりやすいのが、「昔、親がいくらでその家や土地を買ったのか(取得費)を示す契約書が見つからない」というケースです。

取得費が証明できない場合、法律上のルールにより「売却価格の5%で購入したものとみなして計算する(概算取得費)」ことになっています。これを通称「5%ルール」と呼びます。

💡【例】実家が「2,000万円」で売れた場合

  • 購入当時の契約書がある場合(取得費1,500万円と証明できる): 利益 = 2,000万円 - 1,500万円 = 500万円(これに対して約20%=約100万円の税金)
  • 契約書がない場合(5%ルール適用:取得費100万円とみなされる): 利益 = 2,000万円 - 100万円 = 1,900万円(これに対して約20%=約380万円の税金!

このように、当時の書類がないだけで「大儲けした」と判定されてしまい、税金が数百万円単位で跳ね上がってしまう恐ろしい罠が存在するのです。

5. 税金を劇的に安くする「特例・控除」が存在する!

「当時の書類がないと、そんなに恐ろしい税金を払わなきゃいけないの…?」とショックを受ける必要はありません。

国は、相続した実家を売却する人たちの負担を減らすため、「空き家の3,000万円特別控除」「取得費加算の特例」など、税金をゼロまたは大幅に減額できる強力な特例を用意してくれています。

これらの特例をうまく活用できるかどうかが、相続売却で損をしない最大の分かれ目となります。(※特例の詳細については、次回以降の連載でじっくり解説します!)

まとめ

相続した不動産の税金は、「利益にかかる」「親の所有期間を引き継げる」「当時の購入書類(取得費)の有無で大きく変わる」という3つの基本を押さえておくことが大切です。

諏訪市・茅野市・岡谷市・下諏訪町・富士見町・原村の諏訪地域でも、代々受け継がれてきた古いお屋敷や土地の売却では「当時の購入契約書が残っていない」というご相談が非常に多く寄せられます。

私たちエコシステムは、単に不動産を査定するだけでなく、税理士をはじめとする税務のプロと連携しながら、「手元に一番多くお金を残すための資金シミュレーション」を事前にお出しいたします。

税金への不安も、どうぞお気軽にご相談ください。

※本記事に掲載している計算式や制度の概要は、執筆時点の法令に基づいた一般的な解説です。

個別の取得費の認定や税額計算、特例適用の可否につきましては、管轄の税務署または税理士へご相談ください。

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