相続した実家を売却しようと考えたとき、多くの方が最初に行き当たる壁が「建物がついたまま中古住宅として売るのか、お金をかけて解体し『更地』にしてから売るのか」という問題です。
「更地にした方が買い手が見つかりやすいのでは?」「解体費用で数百万円も持ち出すのは嫌だな…」「古くても住んでくれる人がいるかも?」など、判断に迷う要素がたくさんあります。
実はこれ、単純に「どちらが売りやすいか」だけでなく、税金(固定資産税や譲渡所得税)と解体費用のバランス(損益分岐点)を見て判断しないと、数十万円〜数百万円単位で損をしてしまう可能性があります。
今回は、それぞれのメリット・デメリットと、最適な判断基準を分かりやすく整理しました。
1. 「古家付き(中古住宅)」として売るメリット・デメリット
築年数が経過した実家を解体せず、そのまま市場に出す売り方です。
- メリット:
- 解体工事費用(持ち出し資金)が不要
- 売却が決まるまで「住宅用の固定資産税の軽減特例(約1/6)」が適用され続け、税負担が軽い
- 「レトロな古民家をDIYしたい」「建物付きで安く買いたい」という買主様に刺さる可能性がある
- デメリット:
- 建物が古すぎる場合(雨漏り、シロアリ、傾きなど)、買い手が見つきにくく販売期間が長引きやすい
- 売却後に建物の不具合が発覚した場合、売主としての「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」を問われるリスクがある
2. 「更地(解体後)」にして売るメリット・デメリット
建物を解体撤去し、まっさらな土地として売り出す方法です。
- メリット:
- 買主様が解体費用を気にせず「すぐに新築を建てられる土地」として検討できるため、ターゲット層が広がり売れやすくなる
- 建物の不具合に関する売却後のトラブル(契約不適合責任)が実質ゼロになる
- 前々回(第6回)で解説した「空き家の3,000万円特別控除」を確実に利用しやすい
- デメリット:
- 解体工事費用(木造で150万〜300万円程度、鉄骨・RCや残置物が多いとそれ以上)を先払い・持ち出しする必要がある
- 【超重要!固定資産税の罠】 年を跨いで更地のまま所有していると、住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が約3倍〜6倍に跳ね上がる
3. 「更地 vs 古家付き」損益分岐点を見極める3つのチェックリスト
では、ご実家の場合はどちらを選ぶのが正解なのでしょうか?以下の3つの視点で「損益分岐点」をチェックしてみましょう。
1. 建物の状態と「耐震基準」
昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた「旧耐震基準」の建物の場合は注意が必要です。
- 建物に雨漏りや大きな歪みがあり、住める状態でない場合:リフォーム費用が数百万円〜1,000万円以上かかるため、中古住宅として売ることは非常に困難です。解体(更地化)するか、売主様側で解体を条件とした「更地渡し」での売却が現実的になります。
- 第6回の「空き家の3,000万円特別控除」を使いたい場合:旧耐震の空き家で売却益(譲渡所得)が大きく出る場合は、解体して更地にした方が「最大3,000万円の控除」を受けられるため、解体費用を払ってでも手元に残るお金が圧倒的に多くなる(損益分岐点を大きく上回る)ケースが多々あります。
2. 解体費用の見積もりと手持ち資金
解体費用は建物の構造や敷地条件(重機が入る道路幅かなど)によって変動します。
- 解体費用を自己資金で用意できるか?
- 売却代金から解体費用と解体に伴う税金増額分を引いても、十分に手元に利益が残るか?
※最近では、事前に解体せず「古家付き」で売り出し、買主様が決まった段階で売買代金の中から解体費用を充当・決済時に解体する「解体更地渡し条件付き売却」という手法をとることで、売主様の持ち出しリスクをゼロにする方法もあります。
3. 周辺エリアのニーズ(土地需要 vs 中古住宅需要)
地域の不動産市場によって、「新築用の土地を探している人が多い地域」と「格安の古家を探している人が多い地域」に分かれます。
まとめ
「更地」か「古家付き」かの判断は、建物のコンディションだけでなく、「解体費用の見積もり」「地域の需要」「適用できる税金の特例(3,000万円控除など)」「固定資産税の上がるタイミング」を総合的に掛け合わせてシミュレーションしないと、最適な答えは出ません。
諏訪市・茅野市・岡谷市・下諏訪町・富士見町・原村の諏訪エリアは、寒冷地特有の建物劣化(凍結や結露による傷み)がある一方で、移住者による古民家DIYニーズや新築住宅用の土地需要も混在しています。
私たちエコシステムでは、現地の建物状態をチェックした上で、「古家付きで売り出した場合」「更地にして特例を使って売った場合」のそれぞれの手取り額シミュレーションを事前にお出しします。
「まず解体見積もりだけ取ってみたい」「そのまま売れるか見てほしい」という段階から、いつでもお気軽にご相談ください。
メールでお問い合わせ
メールフォームはこちら
LINEでお問い合わせ
LINEはこちら

