媒介契約の約款には、不動産会社に対する厳しい義務だけでなく、依頼する側の「売主様が守るべき義務(約束事)」もしっかりと記載されています。
「お金を払って売ってもらうのだから、こちらには何の義務もないのでは?」と思われがちですが、高額な不動産を安全に、そしてお互いに気持ちよく取引するためには、売主様の協力が不可欠です。
今回は、約款で決まっている売主様の最重要義務である「告知義務」を中心に解説します。
1. 売主様の最重要義務:「物件の真実」を伝えること
約款の中で、売主様に課されている最も大きな義務が「物件の状況について、知っている事実を隠さず不動産会社に伝えること(告知義務)」です。
不動産会社はプロとして現地を細かく調査しますが、壁の裏の雨漏りや、過去に起きた給排水管のトラブル、冬場にだけ起きる不具合など、「実際にそこで暮らしてきた売主様しか知り得ない情報」がたくさんあります。
これらを事前に正しく会社に共有することが、約款で義務付けられています。
2. 「不都合な事実」を隠して売却する最大のリスク
「雨漏りやシロアリの履歴を正直に話したら、価格が下がったり売れなくなったりするのでは……」と不安になり、つい隠したくなる心理は分かります。
しかし、これは絶対にNGです。
事実を隠したまま媒介契約を結び、そのまま買い手が見つかって引き渡した後に問題が発覚した場合、売主様は「契約違反(契約不適合責任)」に問われます。
約款や法律に基づき、高額な補修費用を請求されたり、最悪の場合は契約を白紙撤回されて損害賠償を支払わなければならなくなったりするという、非常に重いペナルティが待っています。
3. 正直に伝えることが、結果的に「売主様を守る盾」になる
実は、物件の悪い部分(契約不適合となるリスク)は、事前にしっかりと書類(物件状況報告書など)に記入して買い手様に承諾してもらえば、引き渡し後に責任を追及されることはありません。
「ここは雨漏りの修繕履歴があります」「ここは建具が少し歪んでいます」と最初にオープンにして納得して買っていただく分には、何の問題もないのです。
つまり、不動産会社に最初から正直にすべてを伝えることこそが、売主様自身を将来の裁判や金銭トラブルから守る最大の盾になります。
4. 登記名義人や「境界」の真実を伝える義務
建物の状態だけでなく、権利関係についても正しい情報を伝える義務があります。
- 本当の所有者は誰なのか(親の名義のままになっていないかなど)
- 隣の家との「境界」を巡って、現在トラブルや揉め事がないか 不動産会社はこれらの情報をもとに、売却の障壁となる問題を事前にクリアにするための作戦を立てます。最初の段階で情報が間違っていると、売却活動全体が途中でストップしてしまう原因になります。
5. 重複契約や直接取引の禁止(専任・専属専任の場合)
専任媒介や専属専任媒介契約を結んでいる場合、約款によって「他の不動産会社に重ねて売却を依頼すること」や「自分で見つけた買い手と会社を完全に無視して直接取引すること(専属専任の場合)」が禁止されています。
これらは売主様としての信頼関係を裏切る行為(約款違反)となり、それまで不動産会社が売却のために使った広告費の実費や、仲介手数料に相当する違約金を請求される対象になりますので注意が必要です。
まとめ
約款に定められた「売主様の義務」は、決して売主様を困らせるためのものではなく、取引に関わる全員が「後から絶対に後悔しないため」の安全装置です。最初にすべての情報をオープンにすることが、結果的に最も安心でスムーズな売却へと繋がります。
諏訪市・茅野市・岡谷市・下諏訪町・富士見町・原村の諏訪6市町村においても、特に歴史のある古い空き家や、冬の寒さが厳しい地域の物件などは、売主様しか知らない細かな「地域の特性や建物のクセ」があるものです。
私たちエコシステムは、売主様からお話を伺う際、決して責めたり無理な要求をしたりはいたしません。
「どう書けば売主様のリスクを無くせるか」を一緒に考え、物件の魅力を最大限に引き出す書類を作成します。
諏訪地域での誠実で安全な不動産売却は、私たちとの「隠し事のないパートナーシップ」から始めましょう。
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