不動産が売れたとき、手元に入る売却代金から差し引かれるのは、前回解説した「仲介手数料」だけではありません。
実は、契約書の作成にかかる税金や、名義変更の手続き費用、さらには室内を片付けるための費用など、見落としがちな「隠れた諸費用」がいくつか存在します。
あとから「思ったより手元にお金が残らなかった」と慌てないために、売却にかかる全コストのチェックリストを用意しました。
1. 契約書にペタッと貼る「印紙税(いんしぜい)」
不動産の売買契約書は、法律で定められた「課税文書」にあたるため、契約書に印紙を貼り、消印(割印)をすることで税金を納める必要があります。
税額は売却価格によって変動しますが、現在は「軽減税率」が適用されるため、一般的な住宅売買(1,000万円超〜5,000万円以下)であれば、印紙代は1万円(1,000万円以下の場合は5,000円)となるケースがほとんどです。
契約当日に現金で用意することが多い費用です。
2. ローンが残っているなら必須の「抵当権抹消(ていとうけんまっしょう)費用」
売却する物件に住宅ローンの残債がある場合、または過去に組んだローンの金融機関の権利が残ったままの場合、そのままでは買い手様に引き渡すことができません。
この権利を消す手続きを「抵当権抹消登記」と呼びます。 手続きは専門家である司法書士に依頼するのが一般的で、登録免許税(国に納める税金)と司法書士への報酬を合わせて、およそ1万5千円〜3万円程度が目安となります。
3. 古い実家を売るときに膨らみがちな「残置物(ざんちぶつ)処分費用」
意外と高額になりがちで、事前の見積もりが必要なのが、家の中に残された家具や家電、衣類などの片付け費用(残置物処分費用)です。 不動産を売却するときは、原則として「室内を完全に空っぽ」にして引き渡すルールになっています。
ご自身で少しずつ片付けられれば安く抑えられますが、一軒家をまるごと専門業者に処分依頼する場合、荷物の量によっては20万円〜80万円近くかかることもあります。
4. 土地や古い家で必要になることがある「測量(そくりょう)費用」「解体費用」
物件の条件によっては、引き渡しの条件として売主様側の負担で次の工事や調査が必要になるケースがあります。
- 確定測量(かくていそくりょう):お隣との境界線が曖昧な場合、トラブルを防ぐために土地の境界を正しく測り直す費用です(一戸建て・土地の場合)。費用は35万円〜80万円程度が目安です。
- 建物解体費用:家としての価値がなく、土地(古家付き土地)として売るために建物を壊す場合の費用です。木造一軒家で100万円〜250万円程度が目安となります。 これらは必須ではありませんが、買い手様を見つけやすくするための「先行投資」として発生することがあります。
5. 売却して利益(儲け)が出たときだけかかる「譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)」
不動産を売って、購入したときの金額よりも「高く売れて利益が出た場合」にのみ、その利益(譲渡所得)に対して所得税と住民税がかかります。 「実家を売るだけだから利益なんて出ないよ」という場合でも、大昔に親が買った物件などで当時の購入時の書類(契約書)を紛失していると、売却価格の5%で購入したものとみなされてしまい、書類上「大儲けした」と判定されて課税される落とし穴があります。ただし、自分が住んでいた家であれば「3,000万円の特別控除」という特例があり、多くの場合は税金がゼロになります。
まとめ
不動産売却にかかる総費用は、大まかに「売却価格の約5%〜7%前後(解体や測量がある場合は+α)」とイメージしておくと、資金計画が立てやすくなります。手元にいくら残るかを最初から計算しておくことが、失敗しない売却の第一歩です。
諏訪市・茅野市・岡谷市・下諏訪町・富士見町・原村の諏訪地域では、特に「実家を相続したけれど、中身が当時のまま残っている」「親の代からの土地で、お隣との境界線がはっきりしない」というご相談を非常に多くいただきます。
私たちエコシステムは、地域の信頼できる遺品整理・片付け業者や、地元の土地家屋調査士(測量のプロ)と密に連携しています。媒介契約を結ぶ前の査定段階で、これらの「仲介手数料以外の諸費用」がどれくらいかかりそうかも、現地を見ながらすべてシミュレーションして提示いたします。
「余計な出費をできるだけ抑えて、手元に残るお金を最大化する」ための片付けのコツなどもアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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